商68条の15と商9条の3
【宣伝】
「ドジ系受験女子の4コマ」と、「メイド弁理士の4コマ」を応援して下さい!
商標68条の15 – 青本PDF
2011/02/14 (Mon) 21:06:02
お世話になります。
商標68条の15において、優先権の手続きが不要なのは商13条で準用する43条の2第2項に該当する場合となっておりますが、準用されない43条の2第1項(商9条の3?)の場合の国際商標登録出願は優先権の手続きは必要なのでしょうか?
商9条の3も商13条で準用する特43条の2第2項も、パリ条約に基づかない=議定書の適用はないと思うのですが。
以上よろしくお願いします。
Re: 商標68条の15 – 管理人
2011/02/25 (Fri) 18:48:55
まず、商68条の15第2項では、「パリ条約の例による優先権の場合は、優先権主張手続きが必要である」と規定しています(ただし、国際商標登録出願の日から30日以内)。
そして、商9条の3のパリ条約の例による商標登録出願の場合、商13条1項で準用する特43条1項により同項に規定された書面を出願と同時に提出しなければなりません。
その上、商68条15条第2項には、商9条の3(特43条の2第1項に対応)が規定されていません。
そのため、条文上は商68条の15第1項の適用を受けて、「優先権主張手続きが不要」になってしまいます。
しかし、ご指摘の通り、商9条の3はパリ条約に基づかないので、議定書の適用がありません。
となると、優先権の手続きをどのように行うのか不明になってしまいます。
この点「平成22年度知的財産権制度説明会(実務者向け)テキスト」の「第7章 指定国官庁に対する手続」には、
「国際商標登録出願について、パリ条約による優先権の主張(商標法第13条で準用する特許法第43条)又はパリ条約の例による優先権の主張(商標法第9条の3又は第13条で準用する特許法第43条の2)が認められていたときは、商標登録出願にも優先権が認められます。」と記載されています。
(http://www.jpo.go.jp/torikumi/ibento/text/pdf/h22_jitsumusya_txt/12-8.pdf)
つまり、商9条の3のパリ条約の例による優先権の主張を伴う国際商標登録出願ができないわけではないと思われます。
また、同テキストには、「国際商標登録出願について、パリ条約の例により優先権を主張しようとするときは、その旨並びに第一国出願をした国の国名及び出願年月日を記載した書面を国際商標登録出願の日から30日以内に提出しなければなりません。」とも記載されています(ただし、商68条の15第2項について)。
これらを勘案すると、条文上からは明らかではありませんが、商9条の3のパリ条約の例による優先権の主張を伴う国際商標登録出願についても、商68条の15第2項が適用される(又は、特許庁内で同様に運用される)と思われます。
実際、商68条の15第2項の趣旨からすると、このような国際商標登録出願を除外する理由がありませんので、上記考えで合っていると思われます。
【関連記事】
「国際商標登録出願」
↓クリックありがとうございます。
↓弁理士試験ならLECオンライン Wセミナーで資料請求してね↓
弁理士サイトはこちら
コメント