弁理士試験-分割出願の遡及について

分割出願の遡及について
出願日の遡及について – 海外在住(初心者)
2013/10/15 (Tue) 22:30:33
こんにちは。初心者ですが、初めて質問させていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。
特44の2項ただし書では、「分割出願は、もとの特許出願の時にしたものとみなされる。ただし、特29の2に規定する他の特許出願に該当する場合におけるこれらの規定の適用については、この限りではない」と規定されております。
この規定が適用されるようなケースにおいては、特39については原則にのっとって出願日が遡及するのでしょうか。
遡及するとすれば、特44の2項ただし書の趣旨と矛盾しないのでしょうか。
また、原出願においては、発明の詳細にしか記載していなかった発明Aを、分割出願で初めて請求の範囲に記載した場合も、特39に基づき出願日が遡及するのでしょうか。
よろしくお願いいたします。
Re: 出願日の遡及について – 管理人
2013/10/16 (Wed) 12:09:29
特39条の適用については遡及します。
なお、特44条2項ただし書きは、分割出願は拡大された先願の地位を有さない旨を規定しています。
したがって、後願は親出願によって特29条の2が適用されるので、矛盾は生じません。
また、発明の詳細な説明にしか記載していなかった発明を、分割出願で特許請求の範囲に記載した場合も、特39条の適用については出願日が遡及します。
Re: Re: 出願日の遡及について – 海外在住(初心者)
2013/10/16 (Wed) 13:26:47
管理人様 
ありがとうございます。
基本的な理解が欠けているのかもしれませんが、
29の2については新規事項が追加される恐れがあるため、
分割出願の出願日は遡及しないのに対して、
なぜ39は遡及するのかが良く理解できません。
また、
親出願で詳細な説明にのみ記載していた発明を、分割出願で請求項に記載し、
親出願を公開前に取り下げた場合も、同様に39は遡及するのでしょうか。
遡及するとすれば、後願の出願人に不利ではないのでしょうか。
宜しくお願いいたします。
Re: 出願日の遡及について – 管理人
2013/10/16 (Wed) 14:58:07
分割出願で新規事項が追加された場合、遡及効は得られません。
よって、現実の出願日を基準に分割出願が審査され、通常は親出願を引例にして拒絶査定となります。
これにより、特39条の先願の地位が消滅するので、後願が特39条で拒絶されることもなく特に不具合はありません。
なお、特29条の2の適用について遡及しない方が例外なので、むしろ特39条の適用について遡及することを先に納得した方がよいです。
また、特許法は先願主義を採用しているので、原則的には出願が遅れた者を特別に保護すべき理由はありません。
したがって、親出願を公開前に取り下げた場合も、特39条の適用については出願日が遡及しますが、これによって後願が拒絶されても不当な取り扱いではないと思われます(後願出願人にとっては不利益かもしれませんが)。
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