弁理士試験-冒認出願に対してとり得る措置

冒認出願に対してとり得る措置
冒認出願等への対応について – 1040
2013/01/27 (Sun) 00:09:42
こんばんは。いつもご回答ありがとうございます。
今回は、冒認出願等への対応について質問させて下さい。
冒認出願が行われた場合、以下のような対応が可能で、
それぞれ長所短所があると考えているのですが、
ご意見をいただけないでしょうか。
また、その他に可能な対応等があればご教授下さい。
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①新喪例による特許出願(30条)
長所:自分で作成した明請図が権利範囲となる
短所:出願公開等から6月以内に出願しなければ、
   新喪例の適用を受けられない。
②特許権の移転請求(74条)
長所:時間的制約がなく、冒認者から特許権を
   移転することにより、権利者となり得る
短所:冒認者が作成した明請図が権利範囲となる
③特許無効審判(123条)
長所:冒認者の特許権が無効となり、
   自由実施が可能となる
短所:特許権を得ることができない。
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Re: 冒認出願等への対応について – 短答2年目
2013/01/27 (Sun) 09:07:02
私も同様にまとめているところです。とても参考になります。ありがとうございます。少し追加させていただきます。
④特許査定前:特許を受ける権利を有することの確認訴訟の確定判決を得る。出願人名義を変更。その後、審査請求など適宜。
長所:特許請求の範囲など自己裁量とできる。
短所:冒認者が作成した明請図の範囲に限られる。
   訴訟に時間がかかる可能性がある。
⑤新喪例と関係なく(6ケ月過ぎていても)独自に特許出願を行う。(当たり前で書く必要はありませんが)
長所:全ての自己の発明案件を権利化出来る可能性が生まれる。
Re: 冒認出願等への対応について – 管理人
2013/01/30 (Wed) 12:08:26
さて、ご質問は、冒認出願に対して真の権利者がとり得る措置といったところでしょうか。
ここは、H23改正本の記載を踏襲するのが安全でしょうね。
すなわち、
①真の権利者は、特許無効審判を請求することができる。冒認出願に係る特許は無効理由を有するものとされているためである(特123条1項2号及び6号)。
②真の権利者は、損害賠償を請求することができる(民法第709条)。冒認出願は特許を受ける権利に対する不法行為と解されるからである。
③真の権利者は、新規性喪失の例外(特30条2項)を利用した新たな特許出願をすることができる。これにより、冒認出願の公開等から6月以内に出願をすることで、特許権を取得できる可能性がある。
④真の権利者は、出願人名義の変更をすることができる。真の権利者は、特許を受ける権利を有することの確認訴訟の確定判決を得ることにより、単独で冒認出願等の出願人名義を変更することが認められているからである。
⑤真の権利者は、特許権設定登録後に特許権の移転を請求できる(特74条)。真の権利者は、冒認出願等を通じて発明が公開されることにより産業の発達に寄与し、それは誰が出願したかによって変わるものではない。そのため、平成23年度法改正により真の権利者が自ら出願していたか否かに関わらず、特許権の移転を請求できることとしたからである。
なお、長所短所は複数挙げられるでしょうが、改正本又は青本に記載されていないものは記載しないのが無難です。
論文試験では、書き過ぎによる減点がありうるので注意して下さい。
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