弁理士試験-青本の特29条の2の記載について

青本の特29条の2の記載について
29条の2について – bond
2012/08/19 (Sun) 17:42:17
青本に「優先権の利益を享受している出願が出願公開等がされた場合において、我が国におけるその出願の願書に最初に添付した
明細書又は図面に記載されている発明であって、その優先権の基礎となっている第一国出願の出願書類の全体中に記載されているのものについて、第三者の出願が当該第一国出願後出願公開等がされるまでの間に提出されているものであるときは、その第三者の出願は優先期間中に生じた事実であるのでなんらの権利も取得できず、拒絶され、特許後はその特許が無効とされる」とあります。ここで、疑問なのは、第三者の出願が優先期間中に生じた事実であるという部分です。優先権が認められるのは、基礎出願から主張出願までのあいだであって、主張出願が公開されるまで
優先期間が認められるというのは、なぜでしょうか。
Re: 29条の2について – 管理人
2012/08/20 (Mon) 12:27:20
該当部分は、特29条の2において、パリ優先の利益を享受している出願においては、第一国出願日から拡大先願の地位が発生する旨を説明しています。
その理由として、優先期間中に生じた事実であることを挙げているだけです。
したがって、パリ優先の利益を享受している出願が公開されるまで優先期間が認められるということを言っているわけではありません。
簡単にいえば、第一国出願の後に出願された第三者の出願が、なんらの権利も取得でない(拒絶等される)ように、先願の第一国出願日から拡大先願の地位が発生する、といっているだけです。
Re: 29条の2について – bond
2012/08/21 (Tue) 17:25:10
趣旨は、よくわかりました。ただ、そうであるならば、
「第三者の出願が当該第一国出願後優先権の利益を享受する出願出願までになされ、優先権を享受する出願が公開されたときは」のほうがすっきりするのではないでしょうか。
Re: 29条の2について – 管理人
2012/08/22 (Wed) 11:51:54
その書き方ですと、優先権の利益を享受する出願の第一国出願後、日本への出願までの第三者の出願についてのみ言及することになります。
つまり、優先権の利益を享受する出願の日本への出願後、出願が公開されるまでの第三者の出願については無言になってしまいます。
というわけで、強いて表現を変えるなら、
「パリ条約4条Bによれば、優先権の主張の効果として最初の出願の日から優先権の利益を享受している後の出願の日までの期間内に生じた事実によりその後の出願が不利な取扱いを受けることがないこと及びこの事実によっては第三者になんらの権利も発生させることができないことになっている。
したがって、第三者の出願が当該最初の出願の日後出願公開等がされるまでの間に提出されているものであるときは、その第三者の出願は、なんらの権利も取得できず、拒絶され、特許後はその特許が無効とされる。」
ですかね。
まぁ、分かりやすい文章を書くのは難しいことですし、やさしい気持ちで善解してあげましょう。
Re: 29条の2について – bond
2012/08/23 (Thu) 11:18:37
再度、質問させてください。
青本の記述では、①優先権の基礎出願 ②優先権の利益を享受する出願 ③優先権を享受する出願の出願公開という前提で、
㋐第三者の出願が基礎出願後、享受出願までにされた場合、
㋑第三者の出願が享受出願後、公開までにされた場合の両方について、第三者の出願は優先期間中に生じた事実であると説明しています。㋐については、優先期間中に生じた事実であることは
理解できるのですが、㋑については、どうもしっくりきません。
享受出願後に出願された第三者出願は、後願として排除されるのでは?
何回も同じ質問をして恐縮です。
Re: 29条の2について – 管理人
2012/08/23 (Thu) 12:26:49
分かりました。
もう少し詳しく説明します。
まず、青本の記載は「第一国出願日から拡大先願の地位が発生する理由」を「(第三者の出願が)優先期間中に生じた事実である」として説明しています。
すなわちご質問の㋐の場合です。
そして、それとは別に「第三者の出願が当該第一国出願後、出願公開等がされるまでの間に提出されているものであるとき」は、「なんらの権利も取得できず、拒絶され、特許後においてはその特許が無効とされる」と、説明しています。
ここを「第三者の出願は優先期間中に生じた事実であるので」でつないで説明しているからおかしくなってしまうのですが、ご質問の㋑の場合についてまで「優先期間中に生じた事実」であるといっているわけではないと思います。
もっといえば、優先権主張出願も日本においてされた特許出願ですので、㋑の場合にはいわゆる拡大された先願の地位を有します。
なお、特39条について、享受出願後に出願された第三者出願が後願として排除されるのはおっしゃる通りです。
ただし、享受出願後(日本への出願後)に出願された第三者出願に対しては、特29条の2のいわゆる拡大された先願の地位が及ばないという意味であれば、間違いです。
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