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特許審査シミュレーションシステムが無料公開
「世界唯一の特許審査シミュレーションシステムの無料版が公開!」(産経ニュース)
株式会社ゴールドアイピーが提供する特許審査シミュレーションシステム『アイピーサムライ』の一部機能が無料公開されたようです。
特許庁のほうでも機能紹介をしていますね。
IP Samurai (一部機能)
というわけで、早速精度を試してみました。
使ったデータは第1回クレームドラフティングコンテストの回答です。
現状開放されている機能は、特許性判定(引例との一致点を表示しながら、A~Dの4ランクで新規性・進歩性の程度について判定する)ですので、以下のクレームのランクを調べてみました。
1.「持ち手部分と、スプーン部分と、を有する食器であって、前記スプーン部分の先端に隙間を入れて形成したフォーク部分を有する食器。」:ランクD
2.「連続して形成されている食器において、食物をすくう機能及び刺す機能を有するカトラリー。」:ランクD
3.「柄の先端に幅広くなりこの幅広い部分が一方の面に窪みを形成する部分を有するスプーンにおいて、前記窪みを形成する部分は櫛歯構造を有することを特徴とするスプーン。」:ランクD
4.「凹面形状の掬い部と棒状の把持部とが連結されており、掬い部の把持部から遠い側の端部近傍から把持部の方向に向かって、1又は複数の略長方形の切れ込みを有し、かつ前記切れ込みの間の実質部が先細形状になっていることを特徴とするスプーン。」:ランクD
5.「把持部の一端に掬面が設けられており、該掬面の沿端に食物を突き刺すための少なくとも1つの尖突起部を備えた食事用補助具。」:ランクD
6.「スプーンの椀状先端部の一部を切り欠くことにより、当該切り欠いた箇所にフォークとしての機能を持たせたことを特徴とするスプーン。」:ランクB
7.「連続して形成されている食器において、食物をすくう手段の凹部及び食物を刺す手段の一つ以上の凸部を有するカトラリー。」:ランクD
8.「頭部と柄部とを有するスプーンであって、上記頭部の上記柄部側とは反対側の先端に切り欠を形成し、該先端を櫛状化したことを特徴とするスプーン。」:ランクD
9.「把持部およびその一端に液体保持用の凹部を有し、前記凹部の縁部に固形物突き刺し用の凸部を設けたことを特徴とする食事用器具。」:ランクD
10.「皿状の凹部を有する掬部と、前記掬部の周縁部から延伸する柄部とを備え、前記掬部は、前記周縁部において前記柄部が接続された位置から中心角が90度以上の部位に少なくとも1つの切り欠きを有するスプーン。」:ランクD
11.「柄部とスプーン部を有するスプーンであって、前記柄部と前記スプーンとは連続的かつ一体となるように形成され、前記スプーン部の先端にはフォークとして機能しうる突起が設けられ、前記突起の総面積が前記スプーン部の総面積に占める割合は1/2以下である、スプーン。」:ランクD
12.「連続して形成されている食器において、食物をすくう手段の凹部及び、食物を刺す又は絡める手段の一つ以上の凸部を有するカトラリー。」:ランクB
13.「柄からなる持ち手部と持ち手部の片端に頭部を有し、前記頭部は凹みと前記柄と反対の先端に櫛歯を有することを特徴とするカラトリー。」:ランクD
というわけで、本来すべてランクDのはずですが、2つほどランクBがありました。
また、短い文章だと評価が低くなるのではないかと考えて、以下の文でも試してみたところ、ランクCでしたので、文章の長さはあまり影響しないように思います。
「連続して形成されている食器であって、
棒状の把持部と、
食物をすくう機能を有するように一方の面に窪みが形成されるとともに、前記把持部と連結されているスプーン部分と、
食物を突き刺す機能を有するように櫛歯構造を有するフォーク部分とを備え、
前記櫛歯構造は、1つ又は複数の略長方形の切れ込みを有し、かつ前記切れ込み同士の間が先細形状になるように、前記スプーン部分における前記把持部から遠い方の先端に形成されており、
前記櫛歯構造はさらに、前記先端において前記把持部が接続された位置から中心角が90度以上の部位に少なくとも1つの切れ込みを有すると共に、前記櫛歯構造の総面積が前記スプーン部分の総面積に占める割合は1/2以下である、食器。」
感想としては、参考にはなりそうなものの、実際に特許になった案件で検討してみないとわからないというところでしょうか。
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なお、直近の本室更新は「H30年短答試験意匠問02」です。

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