前置報告を利用した審尋がなくなる
・前置報告を利用した審尋について(特許庁)
拒絶査定不服審判においては、
前置報告の内容を審尋により送付する「前置報告を利用した審尋」という運用が行われており、
原則全件に対して「前置報告を利用した審尋」が行われてきました。
「前置報告を利用した審尋」が出てしまうと、
反論せずに放置することもできず(してもいいのですが、心情的に)、
結局、審判請求時の反論と同趣旨の意見を繰り返すということも多かったのです。
で、この「前置報告を利用した審尋」がなくなり(正確には全件ではなくなり)、
平成26年4月以降は、前置審尋が有効な場合についてのみ行うことになりました。
なお、当面、前置審尋の運用を行う技術分野は、
医療、バイオテクノロジー関係の技術分野
(IPC:A01H, A61KからL, A61PからQ, C12MからQ, C40B)
となるようです。
むだな翻訳もなくなるし、
少しよくなるのかな?
審尋への回答が特に参酌されたことってあまりないしなぁ・・・
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コメント
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それは貴方が参酌するに値しない審尋回答書しか書いてこなかった方では? 私が復代理人として審尋回答書を書いた事件では約半分(20/40)が特許審決になっています。
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> それは貴方が参酌するに値しない審尋回答書しか書いてこなかった方では? 私が復代理人として審尋回答書を書いた事件では約半分(20/40)が特許審決になっています。
弊ブログにコメントを頂きありがとうございます。
さて、全審決中特許審決の割合は56%ぐらいなので、約半分が特許審決というのは妥当な数値だと思います。
ただ、審尋回答書は審判請求の理由と大差ないことが多いと思いますので(逆にここで大幅に方針を変えるというのは審判請求時の検討が甘いことになります)、特許審決の場合は、審尋回答書が参酌されたというよりも、審判請求の理由が妥当だったのではないかと考えています。
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「さて、全審決中特許審決の割合は56%ぐらいなので、約半分が特許審決というのは妥当な数値だと思います。 」
ですが、これは正確には、特許審決率ではなく、特許成立率です。つまり前置審査で特許「査定」された場合を含んだ数字です。で、その内訳は、ほとんどが前置審査で特許になっています(統計には前置登録率という項目があるはずです)。特許審決は数%です。
「逆にここで大幅に方針を変えるというのは審判請求時の検討が甘いことになります」
ですが、大幅に方針を変えるのではなく、補足です。予期せぬ理由で前置報告書が作られていることはあるからです(特に後知恵による29条2項違反)。
「審判請求の理由と大差ない」審尋回答書を書く代理人が多いから特許「審決率」が低いのだと推測しています。
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> ですが、これは正確には、特許審決率ではなく、特許成立率です。つまり前置審査で特許「査定」された場合を含んだ数字です。で、その内訳は、ほとんどが前置審査で特許になっています(統計には前置登録率という項目があるはずです)。特許審決は数%です。
大変申し上げ難いのですが、平成24年の拒絶査定不服審判での前置登録が約1万3千5百件で、審判での最終判断は請求成立が約8千5百件、却下を含む同不成立が約6千7百件、その他取下げ等が約2千4百件なので、いわゆる請求成立の件数に前置登録件数が含まれているということはないと思います。
ですので、審判請求と審決との間にタイムラグはありますが、前置登録と審決却下等を除いた全審決に対する最近の請求成立(審決)率は、6割に近いというのが正しいかと思います。
なお、『審判請求後に補正することなく、特許になるものは、全請求の約8%に過ぎません』という話がありましたので、補正されない場合(つまり、前置報告が作成されない場合)の請求成立率と勘違いされているのだと思いますよ。
> 「審判請求の理由と大差ない」審尋回答書を書く代理人が多いから特許「審決率」が低いのだと推測しています。
正直に言えば、優秀な弁理士であられるなおすずかけさんが補正をしたにも関わらず、請求成立率が5割に過ぎないというのは不可解ですね。