R01年短答特実問06

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R01年短答特実問06

 特許出願の分割及び実用新案登録に基づく特許出願に関し、次の(イ)~(ホ)のうち、正しいものは、いくつあるか。
 ただし、特に文中に示した場合を除いて、特許出願は、外国語書面出願、国際出願に係る特許出願、特許出願の分割に係る新たな特許出願、出願の変更に係る特許出願又は実用新案登録に基づく特許出願ではなく、取下げ、放棄又は却下されておらず、査定又は審決が確定しておらず、いかなる補正もされておらず、いかなる優先権の主張も伴わないものとする。
1 1つ
2 2つ
3 3つ
4 4つ
5 5つ

枝1

 (イ) 2以上の発明を包含する特許出願において、2以上の発明が特許法第37条に規定する発明の単一性の要件を満たす一群の発明に該当する場合であっても、特許出願人は、当該特許出願の一部を分割して、1又は2以上の新たな特許出願にすることができる。

解答
○  二以上の発明を包含する特許出願の一部は、一又は二以上の新たな特許出願とすることができる(特44条1項)。そして、発明の単一性の要件を満たす場合に分割できない旨の規定はない。

枝2

 (ロ) 特許異議の申立ての審理において、特許の取消しの理由が通知され、相当の期間を指定して意見書を提出する機会が与えられた場合、当該指定された期間内に、その特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された発明の一部を1又は2以上の新たな特許出願とすることができる旨が特許法に規定されている。

解答
 分割できるのは、補正できる時又は期間内(特44条1項1号)、特許査定の謄本送達日から三十日以内(特44条1項2号)、及び、拒絶査定の謄本送達日から三月以内(特44条1項3号)であり、取消しの理由が通知された後の意見書提出期間に分割できる旨の規定はない。なお、当該期間は補正できる期間でもない。

枝3

  (ハ) 甲の実用新案登録に対し、請求人乙及び請求人丙の各人を請求人とする2件の実用新案登録無効審判の請求があり、請求人乙の実用新案登録無効審判の請求について、期間aを指定して答弁書を提出する機会が与えられた。その指定された期間aの経過後、請求人丙の実用新案登録無効審判の請求について、期間bを指定して答弁書を提出する機会が与えられた。この場合、甲は、その指定された期間b内に実用新案登録に基づいて特許出願をすることができることがある。

解答
  最初に指定された答弁書提出期間経過後は、実用新案登録に基づく特許出願ができない(特46条の2第1項第4号)。

枝4

  (ニ) 甲は、特許請求の範囲に発明イが記載され、明細書及び図面には発明イ、ロ及びハが記載された特許出願Aをした。その後、特許出願Aを分割して特許請求の範囲に発明ロが記載され、明細書及び図面には発明イ及びロが記載された新たな特許出願Bをした。さらに、甲は、特許出願Bを分割して特許請求の範囲に発明ハが記載され、明細書及び図面には発明イ、ロ及びハが記載された新たな特許出願Cをした。この場合、特許出願Cは、特許出願Aの時にしたものとみなされる。

解答
  特許出願の分割は、分割出願の明細書等に記載された事項が、原出願の分割直前の明細書等に記載された事項の範囲内であることを要する(基準第VI部第1章第1節)。

枝5

 (ホ) 甲は、特許請求の範囲に発明イが記載され、明細書及び図面には発明イ及びロが記載された特許出願Aをし、特許出願Aの出願の日後、特許出願Aを分割して特許請求の範囲、明細書及び図面に発明ロが記載された新たな特許出願Bをした。その後、拒絶の理由が通知されることなく特許出願Bについて特許権の設定の登録がされたとき、この特許権の存続期間は、特許出願Bの分割の日から20年をもって終了する。ただし、特許権の存続期間の延長登録の出願はないものとする。

解答
  新たな特許出願は、もとの特許出願の時にしたものとみなすされる(特44条2項)。よって、特許出願Bについての特許権は、特許出願Aの出願日から20年をもって終了する。

解説

(イ)のみが正しいので、1の1つが正解

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