弁理士が説明する「それってパクリじゃないですか?」第10話の専門用語

ブログ
弁理士 実務 独学 チワワ

!ネタバレ注意!※ネタバレを含みますので、未見の方はTverでドラマをご覧になってからお読み下さい。
6/14放送の「それってパクリじゃないですか?」第10話は、とうとう最終回でした。最後にはこれまでの色々な伏線が回収され、無事に釜飯の決着も付きました。正直に、最初はどうなることかと思いましたが、終わってみれば中々に楽しいドラマでした。というわけで、今回も専門家として、初学者にもわかりやすいよう条文を交えて説明していこうと思います。

弁理士が訴訟代理人になれるか? -弁理士法第6条の2–

今回のドラマでは、北脇さんが特許権侵害訴訟の代理人として出廷していました。実際に、付記弁理士は、特許権侵害訴訟の訴訟代理人になることができます(弁理士法第6条の2)。ここで、付記弁理士とは、特定侵害訴訟代理業務試験に合格した弁理士のことです。特定侵害訴訟代理業務試験に合格すると、日本弁理士会より弁理士登録にその旨の付記を受けることができ、「付記弁理士」と呼ばれます。

具体的に、付記弁理士は、特定侵害訴訟(弁理士法第2条第6項)に関して、弁護士が同一の依頼者から受任している事件に限り、訴訟代理人となることができます。ただし、訴訟代理人となった弁理士が出頭するときは、弁護士とともに出頭しなければなりません。なお、「特定侵害訴訟」とは、特許、実用新案、意匠、商標等の侵害に係る訴訟のことです。
 
さらに、弁理士は、特許、実用新案、意匠、商標の審決等に対する不服の訴え関しては、訴訟代理人となることができます(弁理士法第6条)。例えば、特許を拒絶とする査定の取り消しを求める訴訟において、弁理士は、単独で訴訟代理人になることができます。

特定侵害訴訟代理業務試験とは? -弁理士法第15条の2–

付記弁理士になるために必要な特定侵害訴訟代理業務試験は、弁理士法第15条の2に定められています。具体的には、特定侵害訴訟に関する訴訟代理人となるのに必要な学識及び実務能力に関する能力担保研修を修了した弁理士に対し、当該学識及び実務能力を有するかどうかを判定するため、論文式による筆記の方法により行われると定められています。

また、能力担保研修は、日本弁理士会が実施しています。具体的には、民事訴訟に関する実務的なものを中心に、弁理士が特定侵害訴訟に関する訴訟代理人となるために必要な学識及び実務能力に関する講義(合計45時間)を受講します。さらに、演習として、訴状又は答弁書の作成を行います。これらを履修した上で、特定侵害訴訟代理業務試験を合格すると付記弁理士になることができます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました