29の2について – 事務所修行中
2023/03/20 (Mon) 21:17:27
29の2の拡大先願について、いわゆる他の特許出願が、英語でされたPCT出願Aを基礎として国内優先権を主張した出願Bである場合、双方に記載の発明については、184の15④により読み替えられた41条③により、Bが出願公開された時にAが国際公開されたものとみなして29の2が適用になります。
この場合、Bが出願公開されても、Aの翻訳文が提出されないと29の2の適用はないのでしょうか。条文上はそうは読めませんが、予備校の問題の解説で「翻訳文が提出されず取り下げられたものを除く」という184の13の規定によって適用はないとされており、少し違和感がありました。
184の13は「他の出願が国際特許出願」である場合であって、「他の出願の先の出願が国際特許出願」である場合に適用されるものではないと考えています。
勉強不足で恐縮ですが、教えていただけますと幸いです。
Re: 29の2について – 内田浩輔
2023/03/22 (Wed) 13:52:06
まず、事例を整理します。
外国語PCT出願A→出願Aの翻訳文未提出→出願Aに基づく国内優先権主張出願B→出願Bの出願公開
この場合、審査基準によれば、国内優先権の主張の基礎とされた出願(先の出願)が外国語特許出願である場合、先の出願について翻訳文が提出されているときも、提出されていないときも同様である(特41条③括弧書き、特184条の15④)とされています。
すなわち、翻訳文が提出されていないときも、先の出願と後の出願の双方の当初明細書等に記載された発明は、先の出願を他の出願として、特29条の2の規定が適用されます。
また、翻訳文が提出されていないときも、後の出願の当初明細書等にのみ記載され、先の出願の当初明細書等に記載されていない発明は、後の出願を他の出願として、特29条の2の規定が適用されます。
Re: 29の2について – 事務所修行中
2023/03/24 (Fri) 22:50:08
解説いただきありがとうございます。
審査基準についてもとても勉強になりました。ありがとうございます。
先の出願の外国語特許出願について翻訳文が提出されていなくとも29条の2の適用になると理解しました。外国語書面出願と同じ取り扱いなのですね。
今後ともよろしくお願いいたします。
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