H27論文意匠I(1)・H29論文特許2(3)
本試過去問について – 受験生A
2019/03/12 (Tue) 08:16:34
初めて書かせていただきます。
本試験論文について解決しない疑問点があるのですが、こちらで質問させていただいてよろしいでしょうか?よろしくお願いいたします。
①H27意匠法問題Ⅰ(2)について
出願Cが出願Aとの関係で協議不成立により拒絶される場合、出願Dは出願Cが先願の地位を有することから、9条1項の拒絶理由があるとされます。
ここで、出願Dは出願Cを本意匠とする関連意匠制度を利用した出願であることから、9条2項の拒絶理由は発生しないように条文上読めるのですが、なぜなのでしょうか。Cが9条2項の拒絶理由を有する場合関連意匠制度を利用する要件がどれか連動して無くなるのか、それとも運用上そのようになっているのか・・・判明しませんでした。
②H29年特許法第2問(3)について
戌が特許無効審判を請求するにあたり審判請求適格を備えるために、特許を受ける権利を丁から譲り受ける点は理解できます。
しかし、審判の中で当該譲渡を主張するにあたり第三者たる特許庁(正確には審判官ないし審判合議体となるのでしょうが)及び被請求人の甲に対抗できることが必要ではないかと考えました(そうでなくば、実体関係は戌に権利が移っていてもそのことを特許庁は事実認定できず、結局戌は特許を受ける権利を有する者でないと扱わざるを得ない)。そうであれば出願が必要のはずですが、大手予備校の解答例には出願までの記載はありません。
34条1項は場面を二重譲渡等の問題解決に限定してはいないため、対抗要件を得るということのために出願を要するように読めます。
この考え方は誤りでしょうか?見落としている点ありましたらご指摘お願いします。
長文になってしまいましたが、お手すきの際にお教え頂ければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
Re: 本試過去問について – 受験生A
2019/03/12 (Tue) 08:34:23
すみません少し理解が誤った伝わり方をしそうな書きぶりになってしまったため質問の補足をさせていただきます。
②について
「短答試験用講座」では、34条1項の第三者には特許庁は入らないとの記載がありますが、実は手元にある某大手予備校の解説には特許庁も含まれるとの記載があり、質問はこの理解によって生じた疑問となります。
また、仮に丁がさらに別の者に特許を受ける権利を譲渡しこの者が出願した場合には戌は権利の承継が無効になるため、やはり出願が解答項目になってくるのではないかとの点も疑問を抱いた点になっています。
Re: 本試過去問について – 管理人
2019/03/13 (Wed) 14:04:30
まず、①の問題はこちらですね。
なお、①においてH27意匠法問題Ⅰ(2)では、出願Dに意9条1,2項の無効理由がある(無効の抗弁ができる)ようには思えません。
以下では問題Ⅰ(1)であるものとして回答します。
さて、H27意匠法問題Ⅰ(1)についてですが、本意匠に係る出願Cの拒絶が確定したとき、関連意匠に係る出願Dは、本意匠が存在しなくなったために関連意匠として登録を受けられないものとなるので、意10条1項により拒絶されます。
したがって、意9条1項の拒絶理由があるというのは、条文の誤記だと思います。
なお、願書の本意匠の表示を削除することによって、出願Dは登録を受けることができます。
また、②についてですが、まず②の問題はこちらですね。
前提として、特許を受ける権利の移転は、出願が効力発生要件ではありません。
したがって、請求人戌は、出願せずとも請求人適格を有し、これを無効審判において主張できます。
なお、利害関係は、被請求人甲が利害関係について争う場合に、合議体が請求人戌に利害関係の釈明を求めます。
その上で、当事者の主張によっても利害関係に疑義があるときは、職権で利害関係について調査を進めます。
仮に甲が丁から特許を受ける権利の二重譲渡を受けた場合には、出願していない請求人戌は対抗要件を有しないので、被請求人甲に対抗できないと思います。
この場合には、審判請求は不適法であるとして、審決却下されることになると考えます。
しかし、これは論文試験の回答としては書き過ぎ(問題文にない事実を仮定している)ですね。
Re: 本試過去問について – 受験生A
2019/03/14 (Thu) 01:43:37
管理人様
ご回答ありがとうございました。
①について
このようなケースでは10条1項の問題の拒絶理由になるのですね。「本意匠の表示を削除」することで解決することをこの機会にセットで理解し、覚えておこうと思います。
また、問題番号を誤ってしまい失礼いたしました。
こういうミスをしてしまうと本試では一発でアウトですね・・・落ち着いてやらないとだめですね。
②について
対抗要件になる点は問題ないとのことで、ひとまず安心しました。
そして、この点まで言うと答えすぎなのですね。
自分の中には未だどこまでこたえるべきなのかの基準点が形成できていない部分があるのですが、一例として今後問題演習をする中で手掛かりにしていきたいと思います。
今回はどうもありがとうございました。
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