弁理士試験-特104条の4と再審の流れ

特104条の4と再審の流れ
特許法104条の4 – 短答2年目
2012/12/29 (Sat) 17:38:51
特許法104条の4について教えてください。
短答試験用講座も読ませていただきました。
訴訟の終局判決が確定した後に、無効審決が確定しても、再審にてこれを主張できない
とされています。
蒸し返しになるので、無効審決が確定したとしても、侵害訴訟の再審の理由にはならないということは分かりました。また、不当利得返還請求も出来ないということも何となく分かりました。
この場合、実際にはどのような経過をたどるのですか?
①無効審決の確定を受けて、訴訟を上告する。この場合、訴訟が地裁での判決なら、高等裁判所で差し戻しがされるのですか?その場合の根拠条文は104条の3になるのですか?
あるいは、
②上告をするまでもなく、104条の3により、権利行使ができないということで決着するのですか?
また、
③短答試験用講座にありましたように、不当利得返還請求などをすることは出来ない。
これに加えて損害賠償請求をされることもない。
ということでしょうか?
損害賠償として払ってしまったお金は戻ってくるのでしょうか?
④無効審判は違う理由があれば、別途請求できると思います。最初の無効審判請求で負けで審決が確定して(特許有効)、侵害訴訟でも負けて、損害賠償をしたとします。この後、二回目の無効審判請求で勝って審決が確定した(特許無効)の場合にはどうなりますか?損害賠償で払ったお金(不当利得?)は取り戻せるのですか?
すみません、宜しくお願いします。
Re: 特許法104条の4 – 管理人
2013/01/04 (Fri) 21:44:48
まず念のために確認しますが、終局判決が確定した状態についてはご理解頂けているでしょうか?
判決が確定した状態とは、簡単に言えば不服申立て方法がなくなった(上告等ができなくなった)状態を言います。
さて、ちょっと質問の前提が分からないのですが、仮に無効審決の確定を受けて、地裁に再審を請求し、さらに上告したという前提で回答します。
この場合、再審事由がないので、高裁で棄却決定されます(民訴345条)。
当然、確定判決が取り消されることもありませんので、それを前提とする不当利得返還請求等はできません。
なお、④については、再審理由の制限と無効審判の一事不再理(特167条)を混同しているものと思われます。
ちなみに、二回目の無効審判で勝って審決が確定したとしても、再審理由にはなりませんので(特104条の4第1号)、確定判決の取り消しも、その後の不当利得返還請求もありません。
すみませんが、質問の前提となる事項の確認をお願いします。
なお、民事訴訟に絡む辺りは、理解が難しいようでしたら条文のみ覚えればよいかと思います。
Re: 特許法104条の4 – 短答2年目
2013/01/05 (Sat) 11:37:38
管理人様
終局判決の確定
の意味を間違えていました。単に、その階層の判決が出ていると思っていました。そうではなくて、上告が出来なくなった状態なのですね。
青本のラストにあるように
侵害訴訟の過程で無効抗弁や訂正の再抗弁といった攻撃防御を尽くす機会と権能が与えられている
ので、無効審判が確定したからといって蒸し返すな。文句を言うな、言う前に訴訟で頑張るべきだったのだ。
払ったお金なども戻らない。
ということですね。
そして、ブログのリンク先で述べられているように、
無効審判で無効が確定しているので、
将来については自由に実施出来るということですね。
正しいですか?
正しい、間違いとかの一言の返信を頂けるとありがたいです。
ありがとうございました。
Re: 特許法104条の4 – 管理人
2013/01/05 (Sat) 20:58:17
正しいです。
なお、将来についての自由実施ですが、損賠訴訟終結後のライセンス契約時に「特許が無効になってもライセンス契約は有効である」旨の取り決めを交わすことで、相手方の自由実施(ライセンス料の不払い)を防止するのが一般的であると思われます。
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