弁理士試験-実38条の2第1項について

実38条の2第1項について
実用新案法38条の2第1項について – こうのすけ
2013/03/15 (Fri) 22:23:06
先生、初めまして。
現在、受験生の「こうのすけ」と申します。先生のブログ、頻繁に学習の際に活用させて頂いている者です。
現在、実用新案法38条の2第1項について疑問に思う点があり、図々しくもご回答頂けたら幸いと思い投稿させて頂きます。
疑問というのは、実用新案法38条の2第1項において、なぜ特許法131条の2第1項3号が不準用であるのかが理解できないでいるのです。
なぜ不理解なのかと言うと。。。
特許法131条の2第1項3号は審判請求書の方式違反に対して出される補正命令に対して、要旨を変更して補正できる旨が規定されていますよね。
また、実用新案法41条では特許法133条が準用されており、実用新案登録無効審判の審判請求書の方式違反に対しては審判長が補正を命じなければならないと考えます。
そうなると実用新案法38条の2第1項において特許法131条の2第1項3号が準用されていれば審判請求書の補正をすることができると考えます。
しかし、実際のところは不準用です。。。
そうなると審判請求人はいつ、どのような条件で審判請求書の補正を行うことになるのかも解りません。
お手数ですが、以上の件について回答よろしくお願い致します。
Re: 実用新案法38条の2第1項について – 管理人
2013/03/18 (Mon) 11:56:39
H23改正本に書いてある通り、同3号は、特131条3項の訂正審判の請求書の記載要件に違背していたときに、特133条1項の規定により要旨変更補正が命じられるという運用を前提に、要旨変更を認めるものです。
http://www.jpo.go.jp/shiryou/hourei/kakokai/pdf/tokkyo_kaisei23_63/05syou.pdf
よって、実用新案法上は、上記のような要旨変更補正が命じられる場合はないと思われます。
Re: 実用新案法38条の2第1項について – こうのすけ
2013/03/19 (Tue) 10:42:54
管理人様、回答を頂きましてありがとうございます。まとめると以下のような理解でよろしいのでしょうか?
特許無効審判の審判請求書に対して133条第1項の補正命令が出された場合、補正が要旨変更を伴う場合は131条の2第1項3号ではなく、131条の2第2項に従って審判請求書の補正をする。
特許無効審判以外の審判の請求書(特許無効審判における訂正請求の請求書を含む)に対して133条第1項の補正命令が出された場合、補正が要旨変更を伴う場合には131条の2第1項3号に従う。
従って(実用新案登録)無効審判以外の審判を持たない実用新案法においては特許法131条の2第1項3号を準用する理由は無い。
以上の件について、引き続きよろしくお願い致します。
Re: 実用新案法38条の2第1項について – 管理人
2013/03/19 (Tue) 12:22:00
違いますね。
特許無効審判の審判請求書について、要旨変更を伴う補正をしなければ不備が解消しない場合、特131条の2第2項の補正の許可は出せないので、特135条で審決却下となります(審判請求書に不備があるのでまだ審判が始まっていない)。
条文上は、補正命令で命じてくれれば、特131条の2第1項3号に基づき要旨変更正できるんですけどね。
あと、補正ができる根拠は特17条で、特131条は補正の要件を規定しています。
また、要旨変更を伴う補正が必要であり特133条第1項の補正命令が出た場合、つまり、特131条3項の訂正審判の請求書の記載要件に違背していたときに、特133条1項の規定により要旨変更補正が命じられた場合は、特131条の2第1項3号に基づき要旨変更が認められます。
Re: 実用新案法38条の2第1項について – こうのすけ
2013/03/19 (Tue) 16:05:45
度々すみません。特許法131条の2全体で理解不足のようで、混乱をきたしています。
重要条文なので何としても、モノにしたいので、しつこいようですがお教えください。
特許法131条の2第1項3号については、青本19版p.384~385の記載を読むと、訂正審判、訂正請求の際に133条1項の補正命令を受けた際に請求書について要旨変更を伴う補正が可能であることが解ります。
そうなると無効審判、拒絶査定不服審判、延長登録無効審判の請求書に対して133条1項の補正命令を受けた場合はどうなのでしょうか?要旨変更を伴う補正が可能なのでしょうか、それとも不可なのでしょうか?(先ほど頂いた回答では無効審判の請求書に対して133条1項の補正命令がきた場合に関しては要旨変更を伴う補正は不可能とのことでしたね。。。)
131条の2第1項3号が訂正審判、訂正請求の請求書に限るものだとしたらその理由が解ればスッキリすると思います。
Re: 実用新案法38条の2第1項について – 管理人
2013/03/19 (Tue) 20:46:15
可能か不可能かという話ではなく、特許庁がそのような場合には補正命令を出さないと言っているんです。
仮に、要旨変更をせずに補正できる場合に補正命令が出たとしても、要旨変更を認めるような補正命令は出ないので、特131条の2第1項3号の適用はありえません。
そして、仮に手続きをした者が補正命令を無視して要旨変更補正をしても、そのような補正は認められません。
よって、要旨変更を伴う補正はできません。
そのため、特131条の2第1項3号は実質的に訂正審判、訂正請求の請求書に限られるものですが、その理由は「要旨変更補正の濫用を認めないために、特許庁が補正命令を出す場合を制限している」からですね。
条文からは読めません。
Re: 実用新案法38条の2第1項について – こうのすけ
2013/03/19 (Tue) 22:10:35
終始、熱心に解説頂き、感謝しております。
なるほど、特許無効審判、拒絶査定不服審判、延長登録無効審判に対して発せられる133条1項の補正命令については要旨変更がそもそも認められていないのですね。
つまり、特許法131条の2第1項3号は訂正審判、訂正請求の請求書についてする補正の条文なので、無効審判しか有しない実用新案法上、準用しないということになるのですね。
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