プロダクトバイプロセスクレームであることを否定した判決
 ・平成28年(行ケ)第10025号
 審決取消訴訟において、プロダクトバイプロセスクレームであることを否定した判決が出ました!
 結論から言えば、
 『物の製造方法が記載されている場合であっても,前記の一般的な場合と異なり,当該製造方法が当該物のどのような構造又は特性を表しているのかが,特許請求の範囲,明細書,図面の記載や技術常識から明確であれば,あえて特許法36条6項2号との関係で問題とすべきプロダクト・バイ・プロセス・クレームに当たるとみる必要はない』
 という判断です。
 これは、先に公開された審査ハンドブックの記載とも整合する内容です。
 ところで、問題となったクレームは、
 「透光性あるシート・フィルムを,80~100cm長さの稲育描箱の巻取り開始縁以外の3方の縁からはみ出させて,稲育描箱底面に根切りシートとして敷き,
 その上に籾殻マット等の軽い稲育描培土代替資材をはめ込み,
 この表面に綿不織布等を敷いて種籾の芒,棘毛を絡ませて固定し。
 根上がりを防止して,覆土も極少なくして育苗した,軽量稲苗マットを,根切りシートと一緒に巻いて,細い円筒とした,
 内部導光ロール苗」
 です。
 これが明確であるというのは判決にある通りで、
 このような記載でもPBPクレームでないというならば、かなりの装置クレームが救済されます。
 今後は、
 『・・・という記載は、物の構造・特性を明確に表しており、発明の内容を明確に理解することができるものである。したがって、PBPクレームではない』
 という反論も有効ですね!
 なお、拒絶審決は、請求項3が不明確ということで、残念ですが維持されました。
 【関連記事】
 「PBP類型1-1「製造に関して、経時的な要素の記載がある場合」の判断基準」
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 なお、直近の本室更新は「H28年短答試験商標問5」です。
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