重大ニュース-ベストライセンスが内閣官房商標に異議

ベストライセンスが内閣官房商標に異議
とうとう経済産業省まで動かしたベストライセンスさんですが、
 ※商標の先取り出願(?)が大量発生中! (経済産業省)
昨年には内閣府大臣官房会計課長が権利者である「マイナンバー」に異議申し立てをしていたようです。
異議2015-900229
しかも、自身の先願(商願2014-73104(「MY NUMBER」)を理由に異議を申し立てていたところからして、
本気で権利を行使するつもりだったようで・・・実に恐ろしい。
(蛇足ですが、ベストライセンスは、以下の商標にも異議を申し立てていました。)
・KDDI株式会社の「カケホ」(異議2015-900330→申立却下)
・トヨタ自動車株式会社の「MIRAI」(2015-900195→維持決定)
・日本ニュース時事能力検定協会の「N検/ニュース検定」(異議2015-900328、異議2015-900329→却下決定)
ところで、今回の事件から、いわゆる「商標の先取り出願」に対する対処法が明らかになりました。
つまり、異議の内容から、商標の先取り出願があっても商標登録できる対処法が明らかになったということです。
先の特許庁の注意勧告も、対処法は明らかにできないものの、出願をあきらめないで欲しいという意味だったのでしょう。
つまり、こういうことです。
①ベストライセンス絡みのいわゆる「商標の先取り出願」は、分割出願の要件を満たしていない(ものが多い)。
親出願(原出願)は、出願手数料の未納により出願却下される
③子出願(分割出願)は、分割の要件を満たしていないため出願日が遡及しない(現実の出願日となる)。
商標の先取り出願がされていたとしてもそのうち先願ではなくなるので登録されるということです。
※ただし、分割の要件を満たしていた場合(つまり、原出願の全部ではなく一部のみを分割出願した場合)には、話が変わります。この辺り、ベストライセンスさんが気づかないように情報が伏せられていたようですが、異議の結果から明らかなので、もはや隠す必要はないですね。
なお、異議申し立ての審理(維持決定)の中では、
原出願1(上田さんの商標登録出願※)は,原出願2の出願に係る指定役務のすべてを指定役務としており,「商標登録出願の一部を一又は二以上の新たな商標登録出願とすることができる(下線は,合議体による。)」としている商標法第10条第1項の要件を満たしていない。したがって,原出願1は,もとの商標登録出願と主張する原出願2の出願の時に出願したものとみなすことはできない。そうすれば,引用出願についても原出願1の指定役務のすべてを指定役務としており,商標法第10条第1項の要件を満たしていないものであるから,引用出願は,もとの商標登録出願と主張する原出願1の出願の時に出願したものとみなすことはできない。
と認定されています。※はドクガク追加
蛇足ですが、本件は、「維持決定」であるにも関わらず知財高裁に出訴されています(平28行ケ10013)。
おそらく異議申立人が提訴したのでしょうが、そもそも維持決定に対しては不服を申し立てることができないので(商標法第43条の3第5項)は常識)、訴えは却下されてます。
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「U氏の先願に勝って商標登録する方法」
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