大村智氏は特許権を放棄していない
本日未明にノーベル賞授賞式が行われ、
日本人受賞者される梶田隆章氏と大村智氏にメダル授与されたそうです。
ところで、大村智氏について、以前サンスぽでは、
「大村氏はイベルメクチンの特許権を放棄。世界保健機関(WHO)を通じ、アフリカや中南米などで延べ10億人以上に無償提供され、多くの人々を失明の危機から救った。」(引用)
と報道された。
・ノーベル医学・生理学賞に北里大特別栄誉教授の大村氏 利根川氏、山中氏に次いで計3人目(サンスポ)
確かに、特許権を放棄すればだれもが無償で実施できるわけだが、
実際の薬「イベルメクチン」を開発したのは、米メルク。
米メルクが特許権を放棄するはずもなく、
仮に大村智氏が特許権の持分を放棄しても、無償実施は実現されない。
というわけで、特許権放棄については疑問が残るわけだが、
この辺り、真実は「ロイヤリティの取得を放棄した」ということらしい。
ソースは、発明通信社で、以下のように記載されている。
「メルク社はWHOを通じて蔓延地に無償で配布している。これは、大村博士らがイベルメクチンの商用利用で得られる特許ロイヤリティの取得を放棄して無償で配布することに賛同したために実現したものだ」(引用)
・産学連携で北里研究所に250億円を導入した大村智博士 ―(下)(発明通信社)
なお、ガジェット通信では、比較的に正しく報道している。
「大村博士らが治療薬の商用利用で得られる特許ロイヤリティの取得を放棄し、無償配布に賛同したために実現した」(引用)
・ノーベル賞の大村智教授は、特許権の一部を放棄し、10億人を救っていた(ガジェット通信)
まぁ、一般の方にとって、
特許権の放棄も、ロイヤリティの辞退も大差ないだろうし、
細かいことを言うのは野暮ってものかもね。
いずれにしても、両氏の偉業に拍手です。
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