中小企業キャラバン隊発足・・・が不安
・弁理士会、中小に知財キャラバン(J-NET21)
・日本弁理士会キャラバン隊(日本弁理士会)
日本弁理士会が
「各地の中小企業に弁理士を派遣して知的財産活動について指南する新規事業(弁理士知財キャラバン)」
の計画案を固めたそうです。
「5月の定期総会で承認を得た上で実行に移す」とありますが、
弁理士会のホームページにある「中小企業キャラバン隊」とどう違うのですかね?
ところで、
「地域経済の中核を担う「コネクターハブ企業」などを抽出して訪問型支援を提案する」
という手法については、不安を禁じ得ません。
具体的には、
会員を動員して支援要請を作出する(「支援提案の体で」被支援企業となってくれるようお願いする)
→ヒアリング後、支援提案策を作成して被支援企業にご報告する
→大・成・功!
みたいなマッチポンプが想像されるというか・・・。
関係者でない立場の者の一意見ではありますが、
そもそも、「知財経営コンサルティング」について、支援の需要等はないと思います。
正確に言えば、「知財経営コンサルティングの支援」が何を意味するのか、
需要者とりなり得る企業が想像できないと思うのです。
となれば、自然、率先して支援提案を受ける企業などあらわれるはずもなく・・・
一生懸命に被支援企業を探して(顧客にお願いして)、
先方に迷惑をかけない範囲で(比較的短時間で)、ヒアリングを行い、
経営課題を特定して、その解決策を紙にまとめることになるのではないかと・・・
もちろん、その紙が役に立てばよいですが、
実際には、経営陣に回覧後に、いずれ忘れられるどこかに保管・・・
で、終わり(支援終了)になる気がします。
過去に弁理士に対する需要などを聞き取り調査した経験からすると、
(「コンサルティング」には含まれるのでしょうが)、
デザイン、ブランド、技術、といった特実意商からちょっと離れた領域での需要はあります。
が、これらが「知財経営コンサルティング」に含まれるという認識は・・・なかったです。
だからとりあえず、カタカナを使うのは止めた方がいいかな~と。
また、単発の支援では、正直、知財経営など根付かないと思います。
つまり、紙を作って読んでオシマイになると思います。
(残念ながら、知財経営に目覚めるきっかけにもならない)
本気でやるならば、複数年の顧問契約を結ぶなどして、
被支援者により沿った支援を計画すべきだと思います。
(・・・が、多分そうはならないでしょう)
【関連記事】
「弁理士会、関西特許庁の創設を政府に要望」
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コメント
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私もこれは困りものだと思っています。
そもそもどんな企業を対象にしているか不明です。ある程度出願をしている中小企業であれば既に弁理士がいるでしょう(そこでコンサル的なことはやっている)からキャラバン隊が絡んでくることは阻止してくるでしょうし、出願をしていない中小企業だとすれば、その中からニーズがある企業をどうやって探すか(それが分かるなら、とっくに営業をかけてるような気も)。
そのあたりはうやむやにされ、結局は訪問先企業の選定を都県委員会に丸投げされてきて、結果がでないから仕方なく…記事のような流れになるのが目に浮かびます。正直、気が重いです。
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アッカーさん
コメントありがとうございます。
やはり、そういう風になるのでしょうね。
もし意義ある事業にしたいならば、対象企業の選定から本気で考える必要がありますよね。
そもそも、事業の目的を考えているのかすら・・・怪しい?
この点、もし私ならば中堅企業の分野別出願件数を調査して、その平均を大きく下回る企業を要支援企業としてキャラバン隊を送り込みます。
そして、出願が少ない原因を調査して、問題があればそれを改善するような支援を行いますね。
もちろん、本来は出願増がコンサルの目的とはなりませんが、弁理士として期待される事業としては一つの解答だと思います(これなら被支援企業の弁理士も喜ぶでしょうし)。
でも、多分こうはならないでしょうね。
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西日本で特許事務所を開業している者です。
始めてコメントさせていただきます。
ブログの件、当方も先生のご指摘のとおりだと思います。
地方でそれこそ膝詰めで中小企業の経営者(オヤジといった方がいいかもしれませんが)とお付き合いをさせて頂いている者から見ると、弁理士会が考えるようなことは現場サイドと支援サイドとの間にギャップがありすぎて何の効果も上がりません。
なので、このキャラバン隊とやらも単なるセレモニーになり、新会長の点数稼ぎの実績に利用されるだけでしょう。
ちなみに、この件を地元の発明協会の方に話したところ、知財支援窓口で面識も地元のことも知らない弁理士を充てがわれてその対応だけでも大変なのに、企業の紹介など、これ以上自分たちの都合で負担を増やさないで欲しいと言っていました。
本当に弁理士会、弁政連の役員連中は「アホ」ばかりだと思います。
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地方の弁理士さん
コメントありがとうございます。
さて、点数稼ぎの実績に利用されるだけ・・・
ならばよいのです。
しかし、私の不安が的中した場合には、
確実に被支援先に迷惑をかけることになるのが非常に気がかりです。
なんとかなるとよいのですが・・・。
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中規模事務所経営の者です。
私も当初から疑問をもちつつも、顧客開拓のきっかけになればと思って、キャラバン研修に実際参加しましたが、この先、みなさんの不安が現実になりそうな気がしてなりません。
たくさんの先生方が参加しているようですが、そのなかでも実務経験に天と地との差があり、グループワークでは唖然とさせられる方も多かったです。
肝心の講師側も、「戦略コンサルティングとは・・・」のように説明するものの結局はケースバイケースのような結論に終始しており、あのような研修を根拠に品質担保をうたうのは、非常に疑問です。
このような意見は普段おおっぴらに言えないので、ついコメントさせていただきました。
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匿名弁理士さん
コメントありがとうございます。
ご心配の通り、座学でコンサルはできないというのは事実ではないかと思います。
また、講師の側の経験不足(講師数不足に起因する)もあると伺っています。
このような状態で依頼者にご迷惑をおかけするような事態が生じないことを祈るばかりです。