冒認出願でないことは特許権者が証明する
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 ・審決取消請求事件(平成21年(行ケ)第10379号)
 冒認出願による無効が争われた事件です。
 まず、従前どおり、
 「特許出願がその特許に係る発明の発明者自身又は発明者から特許を受ける権利を承継した者によりされたこと」についての主張立証責任は,少なくとも形式的には,特許権者が負担すると解すべきである。」
 と認定しています。
 ただし、
 「特段の事情のない限り,「出願人が発明者であること又は発明者から特許を受ける権利を承継した者である」ことは,先に出願されたことによって,事実上の推定が働くことが少なくないというべきである。」
 とも述べており、
 過大な証明負担を課しているわけではないようです。
 ちなみに、
 正当な者によって特許出願がされたか否かは、
 ①発明の属する技術分野が先端的な技術分野か否か
 ②発明が専門的な技術,知識,経験を有することを前提とするか否か
 ③実施例の検証等に大規模な設備や長い時間を要する性質のものであるか否か
 ④発明者とされている者が発明の属する技術分野についてどの程度の知見を有しているか
 ⑤発明者と主張する者が複数存在する場合に,その間の具体的実情や相互関係がどのようなものであったか
 等を総合考慮して認定すべきであると述べられています。
 ところで、現実として、
 発明者でない社長を単独発明者とすることがあるようですが、
 これは、とても危険と言えるでしょう。
 あと、発明に至る証拠も、
 きちんと残しておくことが安心ですね。
 なお、この事件では異例の付言がなされています。
 「本件無効審判において,双方から提出された証拠中には,改変されたことが明らかな証拠や,立証事実との関係が吟味されていない証拠が,少なからず存在する。
 ~中略~
 当事者及びその代理人は,審判手続及び訴訟手続において,偽造ないし変造した証拠や虚偽の陳述ないし証言がされることのないよう,十分に留意して,正当な証拠に基づいて,適正な判断を求めることが要請される。」
 ・・・ノーコメントということで。
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コメント
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審決の理由(by Bot): 要するに,原告は,本件発明1の発明者ではなく,特許を受ける権利を承継したものでもないから,本件発明1に係る特許は,発明者でないものであって,発明者から特許を受ける権利を承継しないものの特許出願に対してされたものであり,本件発明2ないし1…