返信先: Wayback Machineの偽造方法は?

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ドクガクドクガク
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「Wayback Machine」を偽造する方法というのが、保存されたWebサイトに掲載された情報を保存日よりも後に、保存日に掲載されていた情報と異なる情報に変える方法があるのか?という質問であれば、そのような方法はあります。

具体的には、台湾での事例の知財裁判所103年行専訴字第99号では、無効審判請求人が2009年6月11日に保存されたとする「Wayback Machine」によるウェブページを無効資料としましたが、当該ページに掲載された情報は2012~2013年頃の情報であるとして、証拠として採用されませんでした(詳しくは下記リンク先資料のスライド161-164をご参照ください)。
https://www.tiplo.com.tw/Seminar/201608/20160823-litigation.pdf

ただし、日本では以下のように複数の事例で「Wayback Machine」の信頼性が認められており、信頼性は比較的に高いものと思われます。
・信頼性を認めた事例
平成30年(行ケ)10178号:https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/995/088995_hanrei.pdf
平成29年(ワ)8272号 :https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/911/088911_hanrei.pdf
平成16年(ワ)10431号 :https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/754/009754_hanrei.pdf
・信頼性を否定した事例
平成18年(行ケ)10358号:https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/406/034406_hanrei.pdf

特に、「ウェイバックマシンに記録された過去のキャプチャ内容を改変することは可能であること」は、平成30年(行ケ)10178号において否定されていません。しかし、保存当時の内容が改ざんされた可能性を示す事情が存在しないとして、信頼性が認められています。これを考慮すると、唯一信頼性を否定した平成18年(行ケ)10358号の事例においては、商標の使用を立証する原告が提出したメールに偽造が疑われた結果、改ざんされた可能性を示す事情があると判断されたものと思われます。
なお、偽造とは違いますが、過去のアーカイブを消去する方法はあります(詳しくは下記リンク先をご参照ください)。
https://woresite.jp/2018/03/15/050608.html

また、実務での使用例は、無効資料として又は使用を証明する証拠として用いられるため、その使用頻度はそれほど高くありません。むしろ、特許庁が引例(掲載日を示す証拠)として使用することが多いように思います。
例外的でありますが、引例で挙げられたYouTube動画の証拠能力を否定する証拠として、「Wayback Machine」を使用した事例があります。具体的には、「Way Back Machine」に保存されている優先日前の動画の長さと、YouTubeの優先日後の動画の長さが異なることを理由に、優先日前に公開されていた実際の動画の内容について疑義があることを主張して、最終的には登録されました(詳しくは下記リンク先をご参照ください)。
https://register.epo.org/documentView?number=JP.2014511845.A&documentId=Written_Opinion_51701091674_JP

なお、審査基準第III部第2章第3の3.1.2節(2)bには、ウェブページ等に掲載された発明について、出願人から具体的根拠を示しつつ反論がなされ、掲載時期又は掲載内容について疑義が生じた場合にそのウェブページ等に掲載された発明を引用しない例が記載されています(詳しくは下記リンク先資料の6頁をご参照ください)。
https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/guideline/patent/tukujitu_kijun/document/index/03_0203.pdf

ウェブページ等は改変の可能性があるわけですから、その掲載時期又は掲載内容を否定するための最終手段として、「Wayback Machine」を使用することができると思います。

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