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- Nakagakiゲスト
先生こんにちは!
特許出願の分割について質問があります。先日、特許査定が出たのですが、代理人から分割出願を勧められました。
分割出願は、他社実施に一致させた権利取得のために行うほうが良いとのことでした。
ここで質問なのですが、意図的に、他社実施時期まで権利化を先延ばしにすることはできるのでしょうか?
ドクガクキーマスターはい、こんにちは。質問ありがとうございます。
さて、権利化の先延ばし方法として、一般的なのは分割出願を繰り返す手法です。具体的には、デッドコピーの分割出願をして、30日後に審査請求をします。このとき、審査請求料を安くするために、請求項1のみに限定する補正を行います。この出願は、親出願と同じ請求項を有するため、少なくと特39条違反の拒絶理由が通知されます。これは、意図的に拒絶理由通知をもらうためなので、請求項1を「明細書に記載の発明」としてもよいのですが、色々な心証が最悪になるのでお勧めしません。その後、延長して拒絶査定をもらってまた分割します。
一例として、下記のリンク先の特開2013-174038の場合、おおよそで分割出願から拒絶理由通知までが1年3月、その後延長3月(日本企業だと2月しかできません)をして意見書を提出して拒絶査定までが9月の先延ばしに成功しています。さらに、拒絶査定から3月は分割できますし、意見書提出時に請求項を補正すれば最後の拒絶理由通知を受けられるので、さらなる先延ばしも可能です。このように、分割出願を繰り返すことによって意図的な権利化の先延ばしは可能です。デメリットは、お金がかかることですね。
※https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1800/PU/JP-2013-174038/62EDC0901166DDC8B5AE67EDDD3C2C46048FA715B18A31EBC7A08B31100F9C8A/11/ja禁じ手として、方式審査に継続している間は実体審査に進まないことを利用する方法もあります。例えば、審査請求料が不足した場合には、補正指令が出て補正するまでは実体審査に進まないので、数月権利化の先延ばしが可能となります。さらに、明細書等の補正を繰り返している間は方式審査に継続して実体審査に進まないので、理屈の上では無限に権利化の先延ばしが可能となります。
なお、個別具体的なご質問があれば、「uchidaアットcentral-pat.com」の内田宛にお寄せ下さい。
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