平成19年度口述試験の再現

Contents

口述試験の再現(平成19年度1日目午後)

特許法(特許出願の分割)

 試験官:補正可能期間内で分割できるのは、いつですか?
 回答:特許査定謄本送達または最初の拒絶査定謄本送達から30日以内です。

 試験官:その期間に分割できるのはなぜですか?
 回答:特許査定時の特許請求の範囲が十分実効的なものでない場合や、特許請求の範囲に発明を的確に表現できずに拒絶査定となってしまうことがあり、発明をより手厚く保護する必要があったからです。また、事前の分割出願や、無断な拒絶査定不服審判を省くためです。

 試験官:分割した出願が親の出願と同じ拒絶理由を有する場合、審査官はどのような措置をとりますか?
 回答:拒絶理由の通知と50条の2の通知をします。

 試験官:50条の2の通知がされた場合どのような場合と同じ補正の制限が課せられますか?
 回答:最後の拒絶理由が通知された場合と同じ制限が課せられます。

 試験官:そのような制限が課せられるのは、なぜですか?
 回答:分割制度の濫用を防止するためです。



意匠法(審判・判定)

 試験官:意匠法上の審判と特許法上の審判とで異なる審判はそれぞれ何ですか?
 回答:意匠法上は特許法と異なり補正却下不服審判が設けられています。特許法上は意匠法と異なり、訂正審判及び延長登録無効審判が設けられています。

 試験官:意匠法で訂正審判が設けられていないのはなぜですか?
 回答:意匠では特許と異なり、訂正をした場合に要旨変更となる可能性が高いので訂正を認める余地がないからです。

 試験官:意匠法で補正却下不服審判が設けられているのはなぜですか?
 回答:意匠では特許と異なり、補正のできる範囲が狭く要旨変更が否かを判断するのが容易であるため、審査の遅延などの問題が生じないためです。

 試験官:侵害を受けた者が、侵害品が自己の意匠権を侵害するか否か確認するために取りうる方法はありますか?
 回答:はい。侵害を受けた者は判定を請求することができます。

 試験官:判定の判断主体はなんですか?
 回答:審判の合議体です。

 試験官:その人数は何人ですか?
 回答:3人です。



商標法(商標法上の使用)

 試験官:商標の使用とは何ですか?
 回答:商品に商標を付したり、役務の提供に際して使用するものに商標を付して役務を提供したりすることなどです。

 試験官:機能との関係で言うとどうですか?
 回答:商品または役務との関係で商標の諸機能を発揮させることです。具体的には、自他商品等識別機能、出所表示機能、品質保証機能及び宣伝広告機能を発揮させることです。

 試験官:被服の指定商品に対する登録商標を、被服を包装する包装紙に付した場合、使用になりますか?
 回答:はい。なります。

 試験官:なぜですか?
 回答:指定商品の包装に登録商標を付しているからです。

 試験官:どこに規定されていますか?
 回答:2条3項1号です。

 試験官:2条3項1号にはなんと規定されていますか?
 回答:商品又は商品の包装に標章を付する行為は、使用に該当すると規定されています。

 試験官:では、被服以外の商品の包装にも使用される包装紙に付した場合は使用になりますか?
 回答:いいえ。なりません。

 試験官:なぜですか?
 回答:この場合、包装紙に付された商標は、被服の出所を表示するものではないからです。

 試験官:被服以外の商品の包装にも使用される包装紙に登録商標を付した場合に使用に該当する場合はありますか?
 回答:はい。包装紙を指定商品とする商標権の登録商標を付した場合は使用に該当します。

 試験官:役務との関係ではどうですか?
 回答:包装サービスを指定役務とする商標権の登録商標を付した場合は使用に該当します。

 試験官:平成19年度から新たに設けられた制度をご存知ですか?
 回答:はい。

 試験官:それとの関係ではどうですか?
 回答:小売等を指定役務とする商標権の登録商標を、顧客に対する便益の提供に際して、包装紙に付した場合は使用に該当します。
タイトルとURLをコピーしました