USPTO審査官のポイント制の改正

従来のポイント制

よく知られていることですが、米国特許庁(USPTO)の審査官はポイント制で評価されています。簡単に言えば、拒絶理由通知(オフィスアクション)を発行するとクレジットが付与されて、これが審査官の評価につながります。そして、従来のポイント制では、審査官に対して、最初のファーストオフィスアクションと、継続審査請求(RCE)後のファーストオフィスアクションとに同じクレジットが付与されていました。

そのため、審査官としては多くのRCEをしてもらった方がより簡単にクレジットが付与されることになります。これが、結果としてRCEの件数増加の要因ともいわれていました。一方、出願人としては、RCEをする代わりに補正後のクレームでの許可を引き出す戦術をとることができ、実際にそのような戦術を提案する代理人も存在しました。

新しいポイント制

USPTOの特許審査官カウントシステム(Patent Examiner Count System)に掲載されている情報によりますと、新しいポイント制では、最初のファーストオフィスアクションにより多くのクレジットが付与され、RCE後のファーストオフィスアクションに対しては比較的に少ないクレジットが付与されます。また、出願人との実質的なインタビューに対してタイムクレジットが付与されます。

これにより、たくさんのRCEをしても審査官にうまみがなくなります。そのため、今後は、
①最初のファーストオフィスアクション発行後に
②出願人とインタビューをした上で
③出願人がRCEをして
④形式的なファーストオフィスアクションが出されて
⑤登録される
という流れが主流になると予測します。

さらに、今後は、審査官からの要請によるインタビューが増えることも予測されます。この場合には、
③RCEをした後のファーストオフィスアクション前に
④審査官から許可可能なクレームが提案され
⑤補正提案を受け入れればそのまま登録になる
流れとなります。

いずれにしても、戦術変更を検討する必要がありますので、記憶に残したい変更であります。

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