弁理士試験-類似意匠の無効理由

類似意匠の無効理由
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意匠法です – BOND
2010/09/13 (Mon) 16:19:33
関連意匠制度で、本意匠と類似する意匠を関連意匠としてでなく、独立した出願をして登録された場合、有効なのか、無効なのかという問題です。
A説では、「類似する意匠を関連意匠とせずに登録してしまった場合は、存続期間や分離移転の禁止等の制約を受けることがないため、当該意匠権の存在は公衆の不利益につながる可能性がある。そのため、無効理由とされているものと解する(9条1項2項、48条1項1号)」とあります。
また、B説では、「出願する意匠が類似か否かの判断は、出願人が行うことが困難な場合もあり、このような場合に
この意匠が登録された場合、登録後は、補正、訂正は認められておらず、常に9条2項で無効とすると、意匠権者に酷となる。また、第三者に生じる不利益は、権利濫用の法解釈により、事実上、関連意匠制度を利用した場合の意匠権の制限と同様な解釈を採ることができる。よって、このような場合は、9条2項により意匠登録が無効にされるべきではないと解する」とあります。
どちらの説に立つべきでしょうか。
Re: 意匠法です – クアトロ
2010/09/14 (Tue) 00:43:52
弁理士試験では、基本書に書かれた有力な説であり答案全体を通して矛盾がないのであれば、どちらの説をとってもよいと思います。ただ、論文の答案として記述するのであれば、個人的には条文に忠実なA説を採ります。
また、弁理士試験を離れた個人的な見解からしてもA説を採ると思います。なぜなら、関連意匠制度を利用することができたにもかかわらず類否判断を誤って通常出願を行った結果生じた不利益は当該判断を行った権利者が負担すべきであり、たとえ正確な類否判断を行うことが困難な場合があるとしても逆に関連意匠として登録された意匠が本意匠と非類似であったとしても無効理由とはならないのであり、類似と判断されることが僅かでも想定できるのであれば関連意匠制度を利用して出願しておくことが適切な判断であったはずであって、このような場合に法的安定性や公衆の利益を害してまで権利者を保護することは公平の観点から妥当ではないと考えるからです(自論)。
Re: 意匠法です – BOND
2010/09/14 (Tue) 00:58:53
正反対の立場に立つ学説が多くありますが、基本的には
条文に忠実な方をとるのが安全ということでしょうか?
丁寧な回答 ありがとうございました。
よくわかりました。
Re: 意匠法です – クアトロ
2010/09/14 (Tue) 23:40:27
高得点を狙うためにリスクを冒すのではなく、論点を外すことなく堅実な答案を作成するほうがよいのではないかと思います。
例えば、個人的にはB説は「常に9条2項で無効とすると意匠権者に酷となる」といっているだけであって、「同一権利者に独立した複数の互いに類似する意匠権が存在するいかなる場合においても9条2項で無効にできない」とまで解釈するのは行き過ぎであると考えます。
出願人が関連意匠で出願したにもかかわらず、審査過程で本意匠と関連意匠とが非類似であると拒絶理由が通知され、関連意匠について本意匠の表示欄を削除する補正がなされたことによって独立の意匠権として登録されていたような場合には、権利者の瑕疵は小さく何らかの形で権利者を保護するのが妥当であるため、B説のような方法で保護するのも一案かもしれません。
すなわち、判例や学説などに基づいて条文を変更解釈したり縮小解釈する場合には相当の注意を要するのではないでしょうか。
以上、私個人の考えですのでご参考まで。
Re: 意匠法です – 管理人
2010/09/22 (Wed) 20:16:28
クアトロさん
回答への御協力ありがとうございます。
BONDさん
私もA説を取ります。
条文を根拠に挙げれば簡単に論述できるという理由のほか、B説のような取り扱いを認めれば、実質的に関連意匠制度を有名無実化するからです。
すなわち、制約を受けないメリットを狙って意図的に別個の意匠登録出願として出願することを冗長すると解されるからです。
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