弁理士試験-下位概念の実施と侵害

下位概念の実施と侵害
本ブログは独学の弁理士講座の別室です。
なお、本日の本室更新は「お休み」です。
下位概念の実施について – TT
2009/10/24 (Sat) 12:08:43
お世話になります。
ある問題で、
「請求項1にかかる発明Aの下位概念A1を業としているため、正当理由または権原がなければ、特許権の侵害となる」というような前提で以降、抗弁事由の検討をしている解答があったのですが、下位概念を実施していれば必ず侵害になるといえるものなのでしょうか?
そもそも下位概念自体がよくわからなくなってきたのですが、下位概念=内的付加(外的付加は下位概念化ではない)というイメージでよいのでしょうか?
内的付加、外的付加については理解しているつもりですが、上位・下位概念との関係や上位・下位概念の実施と侵害の関係がよくわからず混乱しております。。
ご教授の程よろしくお願いします。
Re: 下位概念の実施について – 管理人
2009/10/24 (Sat) 13:21:00
原則、下位概念を実施していれば侵害になるといえるでしょう。
ただし、侵害の判定基準は、上位・下位概念の問題ではありません。
クレームの構成要素を充足するか否かです。
よって、本来両者は直接関係しません。
ご質問の例でいえば、構成要素Aの下位概念A1が構成要素Aを充足するので、その実施が侵害になるというだけです。
なお、内的付加にしても外的付加にしても、下位概念化した場合に、上位概念を包含しない事例が思い浮かびません。
そういう意味では、下位概念=内的付加又は外的付加であり、上位概念の実施(侵害)にあたると解釈しても良いと思います。
Re: 下位概念の実施について – TT
2009/10/24 (Sat) 15:31:47
早々のご回答ありがとうございます。
外的付加の場合は利用により原則侵害となるが、内的付加の場合は均等論の要件が満たされる場合にのみ侵害となる、すなわち下位概念の実施だからといって必ずしも上位概念の実施(侵害)とはならないのではないかと思いましたが、認識あっておりますでしょうか?
Re: 下位概念の実施について – kaeru
2009/10/24 (Sat) 17:55:44
TTさん
例) 化粧品→上位概念 ファンデーションや化粧水→下位概念
例) 電化製品→上位概念 冷蔵庫→下位概念
TTさんの意見が正しいとすると,
上記電化製品に特許がある場合,冷蔵庫を製造販売しても侵害にならないことになります。これはおかしくないですか?
逆に冷蔵庫に特許がある場合,電化製品を実施したらどうでしょう?電化製品に含まれるもの(下位概念)・・・例えばパソコンを製造販売したとしても侵害にならないですよね?
ベン図を描いてみると解りやすいですよ!
ちなみに特許発明を利用していても侵害にならない場合とは発明思想が有機的一体性を失っているときです(技術を付加したことにより別発明となること)。
一方,均等論でご指摘の件は禁反言の原則,すなわち特許を受ける際,特定の手段に特徴がある旨の主張等をしたときに意識的除外が成立します。
同一とは 1)カテゴリーの表現上の違い
     2)上位概念と下位概念の表現上の違い
     3)公知技術の付加・転換・削除等
簡単に書くとこんな感じでしょうか?
(特許施行規則25条の8第1項等)
このあたりの論点は発明の単一性や39条,41条2項にも頻繁に出ると思われます
管理人さん・・・ちょっかいだしてすみません
Re: 下位概念の実施について – TT
2009/10/24 (Sat) 21:07:04
kaeruさん
ご説明ありがとうございます。
具体例を考えるとおっしゃるとおりですね。
実務経験がないものでこの辺の理解があいまいでしたが(実務経験なくても常識かもしれませんが、、)イメージできました。
管理人さまもどうもありがとうございました。
#クリックいたしました!
Re: 下位概念の実施について – 管理人
2009/10/26 (Mon) 12:20:52
付記試験で忙しかった管理人です。
まずは、kaeruさん。
いつもありがとうございます。
今後もバンバン投稿して下さい。
宜しくお願いします。
ところで、下位概念を実施しても上位概念の実施にならない例が、吉藤に書いてありました。
例えば、物質Aの特許権があり、該物質Aの用途が解熱剤である場合に、物質A+Bは下位概念にあたります。
しかし、物質A+Bに解熱効果がなければ、利用発明が成立せずに、非侵害になり得るという例です。
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